外壁塗装の剥がれや色落ちなどの変化に気づいたとき、ご自身で下塗りや塗装をおこなおうとする方も多いでしょう。しかし、下塗りがなぜ必要な工程なのか、どんな役割があるのかしっかりと理解していらっしゃるでしょうか。
外壁塗装において下塗りは欠かすことのできない重要な工程ですが、下塗りの目的や役割を理解したうえでおこなわなければ下塗り自体が失敗のもとになってしまいます。
今回は、下塗りに使用する塗料の種類やその使い分け、下塗りのするタイミングについてお伝えするとともに、面倒な外壁塗装を業者にお任せするメリットもお伝えします。自分でするよりも美しく、かつ長持ちする外壁塗装を実現する秘訣をご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでいただき正しい外壁塗装の塗り替えをおこないましょう。
外壁塗装で下塗りをする目的
外壁塗装をご検討中なら、「下塗りの必要性」に関して少し聞いたという方もいるのではないでしょうか。外壁塗装において下塗りが必要な理由は主に3つありますので、ここで詳しくご紹介しましょう。
1.外壁と上塗り塗料を接着する
1つめは、「下地と上塗りする塗料の密着性を高めるため」です。つまり、下塗りは接着剤としての役割を担っています。上塗りとして使用する塗料はさまざまな種類がありますが、接着性はそれほど高くありません。そこで下塗りを使用して、下地と塗料の密着性を高めているのです。密着性が高まれば、より外壁塗装は長持ちします。
2.塗料の吸い込みを防ぐ
2つめは、「塗料の吸収を防ぐため」です。外壁の種類はさまざまですが、塗料を直接外壁に塗ってしまうと外壁がその塗料を吸収してしまうことがあります。吸収してしまうと、箇所によってムラができてしまうおそれもあるのです。下塗りを丁寧におこなっておけば、均一に塗料を塗ることができ美しい外壁に仕上げることができます。
3.下地の色を隠す
3つめは、「下地の色を隠すため」です。外壁塗装をおこなうとき、人と差をつけたり好みのデザインにしたりするために下地とはちがう塗料を使用することもあるでしょう。そんなとき、上塗りの塗料を塗る前によく似た色で下塗りをしておけば、下地を隠すことができるのです。下地を上手に隠すことができれば、外壁への影響もなくイメージ通りのカラーを実現できます。
下塗り塗料の種類は使い分けが大切!
下塗りの重要性をお伝えしたところで、さらに下塗りの種類や使い分けについてもご紹介します。きちんと使い分けできればきれいな外壁に仕上げることができ、また外壁の耐久性もより長くなるので知っておくべきなのです。
シーラー
シーラーとは、下地と塗料の密着性を高めて下地に塗料が吸収されるのも防ぐために使用される下塗り塗料です。下地が傷んでいるとその傷んだ箇所から塗料が染みこんでしまうので、シーラーを塗っておけばそのような心配もありません。
シーラーには水性と油性(溶性)がありますが、一般的には匂いも少ない水性タイプのシーラーを使用することが多いです、しかし、下地の状態によっては油性が適していることもあります。劣化が激しい場合や短期間での作業を要する場合には、油性タイプのシーラーが使われます。
プライマー
プライマーもシーラーと役割は同じで、傷んだ下地の下塗り塗料として使用されます。シーラーと明確に違いが定義されているわけではありませんが、一般的には金属製の下地に使用する下塗り塗料をプライマーと呼ぶことが多く、種類によってはサビ防止に高い効果を発揮するものもあります。
フィーラー
フィーラー(フィラー)は、表面を滑らかにするために使用される下塗り塗料です。フィーラーは主に下地の劣化が激しい場合に使用されます。でこぼことした面をなくすためや外壁のひびや浮きをきれいにするために用いられます。シーラーやプライマーよりも厚めに塗る必要があるため、フィーラー専用のローラーを使って下塗りを施していきます。
そのほか
そのほかにも下塗りに使用される塗料にはさまざまな種類があります。たとえば、新築工事で使用されるバインダーというものや、シーラーなどの下塗りの上に重ね塗りをして、さらに密着性を高めるために使用するサーフェイサーというものもあります。
このように下塗り塗料は、下地の傷み具合や外壁に使用する上塗りの塗料の色などによって使い分けることで、より下塗りの効果を発揮させることができるのです。
外壁塗装で下塗り塗料を使用するタイミング
では、これほどある下塗り塗装をどんなタイミングで使用すればよいのでしょうか。外壁塗装の全体的な流れをご紹介しながら、そのタイミングをご紹介します。
外壁塗装の全体的な流れ
- 1.足場設置
- 2.汚れの洗浄、除去
- 3.養生
- 4.下地の処理
- 5.下塗り
- 6.中塗り
- 7.上塗り
- 8.確認、修正、片付け
このような流れで外壁塗装を進めていきます。作業前には周辺住民とのトラブルを防ぐためにも作業をすることを報告し、ご挨拶をしておくと安心です。
そして、実際に下塗りをおこなうのはしっかりと下地処理をおこなってからです。下地処理が丁寧にできておらず、ゴミや古い塗装が少しでも残っているとひびや浮きの原因になってしまいます。下塗り、上塗りを成功させるためにも下地処理を丁寧におこないましょう。
下地の状態によっては、何度も塗り重ねなければならない場合もあります。その場合、しっかりと乾かさなければ、その後の中塗りや上塗りの仕上がりにも影響がでてしまうおそれもあるのです。また、天気によっても外壁塗装の進行具合が左右されるため、外壁塗装をおこなうときには時間と日にちに余裕を持っておこなうことが大切です。
外壁塗装はDIYでできる?
上記の手順を見てみると簡単そうに見えるかもしれませんが、外壁塗装は手間のかかる大変な作業です。外壁塗装は高所作業となることも多く、危険もともないます。上塗りをする前に下地処理や下塗りなど細かい作業も多く、下地の状態によっては下塗りや中塗りを何度もおこなわなければならないということもあるのです。
DIYでも外壁塗装は可能ですが、失敗しないためにはやはり専門知識と技術を持ったプロの業者にお任せしましょう。プロの塗装業者なら、細かい箇所まで丁寧におこなってくれるはずです。
手際よく仕上がりも美しい外壁にしてくれるので、無理してご自分でおこなわずプロの塗装業者にお任せしてみてはいかがでしょうか。
外壁塗装はまとめてプロに依頼をしよう!
ここまで、外壁塗装は業者に依頼するほうが安心だとお伝えしましたが、いざ外壁塗装をプロの業者に任せようと思ったとき「どこにお願いすればいいの?」と迷ってしまいませんか。しかし、上手な業者の選び方のポイントを知っていれば、その心配もありません。
ここからは、外壁塗装を依頼するタイミングや安心して外壁塗装を依頼できる業者を選ぶポイントをご紹介します。
塗り替え時期の目安
塗り替え時期の目安は、外壁塗装にどんな塗料を使用したかによって異なります。それぞれの塗料の性質によって耐用年数が異なるため、塗料の選び方も要注意ですね。以下は、主な塗料の耐用年数です。
- アクリル樹脂系塗料……約5年~8年
- ウレタン樹脂系塗料……約6年~10年
- シリコン樹脂系塗料……約8年~15年
- ピュアアクリル塗料……約10年~15年
- フッ素樹脂系塗料……約15年~20年
「できるだけ塗装の効果を持続させたい」ということなら、耐用年数の長い塗料を選ぶようにしましょう。ただし、その分費用が高くなりますので予算の調整は必要です。
業者の上手な選び方
安心してお任せできる業者を選ぶときには、さまざまな側面で比較して総合的な判断をしなければなりません。たとえば、以下のポイントを業者選びの参考にしてみてください。
- ・相見積りをしてもらう
- ・比較サイトを利用する
- ・業者の実績や口コミをチェックする
業者に依頼する場合は、1社だけに相談するよりも、3社ほどの業者に相談して見積りをとるようにするとよいでしょう。その際には、各社で相見積りをしてもらうと適正料金かどうかを確認することもできるので安心です。
また、そもそも業者を選べないというときは比較サイトを利用するとよいです。業者をひとつひとつ調べるのは手間ですが、比較サイトなら簡単に各業者の料金を比較でき時間の短縮にもなるのです。
業者選びではなにかと料金に目がいきがちですが、それ以外にもチェックすべきことはたくさんあります。業者のサイトや比較サイトには実際に利用した方の口コミや工事内容が記載されていますので、ぜひ目を通してみましょう。スタッフの対応や配慮など、利用しなければわからない生の声を聞くことができますよ。
まとめ
外壁塗装の下塗りがいかに重要か、おわかりいただけたでしょうか。外壁塗装の下塗りが丁寧におこなわれていないと、仕上がりが悪くなってしまうだけでなく持ちが悪くなってしまいます。下塗りの役割や種類、その使い分けをしっかりと理解して正しい外壁塗装をおこなうことが外壁を美しく保つための秘訣といえるのです。
何よりも大切なのは、目に見えて外壁が劣化していると感じる前に10年に1度のメンテナンスをおろそかにしないことです。外壁塗装は高所作業になることも多いので無理せず、プロの業者にお任せするほうが安心でしょう。外壁塗装のタイミングや下塗りの方法、手順などは細かい判断が必要です。ぜひプロの業者に丸ごと作業をお願いし、見た目もより美しく、安心できる外壁を実現させましょう。